「うゎっ!」

「きゃぁっ!」

 突然の銃撃に驚き、リムレットとウルはその場に倒れ込んだ。


 ギュギュオオオァァァァァッ


 空気を揺らすような声。

 思わず振り返ると、モンスターは予想以上に近くにいた。

 銃弾が何発か当たったのか、地響きを立てながら暴れている。

 ダダンッ
 ダァンッダァァン……ッ

 銃声はまだ続いている。

「ここは危ないかも…! 早く町に!」

 このモンスターに比べると、リムレットとウルはあまりにも小さい。町の守人達がモンスターに気づいたからと言って、二人に気づいているとは限らない。

 二人は、町とモンスターに挟まれた位置にいる。守人達が気づいていなかったら、銃弾の流れ弾に当たる危険があった。

「あいつが苦しんでる隙に隠れるのよ!」

 リムレットは、少し後ろで自分と同じように転がっているウルを必死で手招きして呼び、出来る限り姿勢を低く保って町を迂回するように曲がった。

 グルルルァァァァァァッッ

 鳴り止まない銃撃に激怒したモンスターの標的は、既に変わっていた。
 二つの標的を見失ってしまったせいもあるだろうが、モンスターは威嚇の声を張り上げ一直線に町へ向かって進んでいく。

 鳴り響く銃声が一層激しさを増した。

「リム! あいつ町に行くみたいだよ!」

 草むらから顔を出したウルがリムレットを引っ張り訴える。

「えっ?!」

 リムレットも顔を出す。

 モンスターは、転がるように丘を下り、勢いを付けて町に突進していく。

「どどどどうしようっ!」

 ウルが青ざめた顔でリムレットを見る。
「どうしようって言われても……ッ!
 私たちじゃなにも出来ないでしょ?!」

 リムレットも焦りを交えた声で言った。

 でも、何とか出来ないだろうか。
 モンスターはかなりな銃弾を浴びているにも関わらず、スピードを緩める気配がなく、むしろ速度を速めているようだ。

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