「無理だろ! あいつの顔に届くどころかこんな高さからダイブしたら着地した時点で潰れる自信あるぞ俺!」
クレイグは必死でウルを説得するが、ウルの考えは変わらない。
「あいつが頭持ち上げればそんな高さはねぇよ」
「頭上げればの話だろが! 上げなかったらどーすんだよ!」
ほんの僅か、間を開けてウルが答えた。
「クレイグ……いい奴だった。惜しい男を亡くした………」
「縁起でもねーこと言ってんじゃねぇよ!
ざけんな、降ろせ!」
「落とせ?
そうか、命を懸けてくれるかっ! お前のその勇気は無駄にしないっ!」
「違ーーうっ! 降ろせっつったんだ!
降・ろ・せ!!」
「よしわかった。いくぞ」
「ちょっ! 全く分かってねぇよ! 目が真剣そのものだぞ! マジで離す気か? 俺らダチだよな?!」
「もちろんだ。…なぁ、クレイグ」
「なんだよっ!」
ウルはクレイグに視線を向け、
「蚊の力を思い知らせてやれ」
手を離した。
「うぁゎぁぁぁぁぁぁあっ! ウルっ! てめぇ後で覚えてやがれええぇぇぇっ!」
みるみる内にクレイグの姿が遠ざかる。
ウルは、すかさず右腕に宿した炎を影に向かって放った。
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