「なるほど。つまり、その磁場で黒竜は思うように戦えなかったわけね」
セルフィリオーナが納得したように呟いた。ラーマが頷く。
『その通りだ。恐らく、思念を飛ばし宝玉を探したが見つからなかった。
宝玉が無い状態で長時間思念を維持出来なかった為、たまたま街を襲っていたモンスターを撃退後、一時的な体としてウルの友人、リムレットを連れ去ったのだろう』
セルフィリオーナの肩がピクッと動く。
「じゃぁ、復活した黒竜とも、そこで戦えば勝てる見込みはあるのね」
言うセルフィリオーナに続いて、クレイグも賛同した。
「だったら、とっととその磁場ってのが乱れてるって場所に行こうぜ!」
クレイグの言葉に、ウルが頷く。
「あぁ。
必ずリムレットを助け出す」
決意新たに、ウルがそう言った時、レインが声を上げた。
「前! 山!!」
後ろを振り返って話していたウルが、その声に視線を前方へ向ける。
そこには、幾つもに連なった高い山。
雪だろうか、真っ白に色づいた山肌を滑り抜ける風の軌道が見て取れるように渦巻いている。
風の渦は、高く上空まで延びてきた。
「乱気流の竜巻だッ! 近づくな!!」
ウルの放った叫びは一瞬遅く。
ワイバーン達が軌道を変える直前に、渦巻く竜巻の外壁に翼を弾かれ四方に吹き飛ばされていく。
乗っていたウル達は空へ投げ出された。
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