クレイグから距離を取ったスキールに、クレイグの背後からウルが魔法で追撃をする。

「フレアアロー!」

 十数本の炎の矢がスキールに降り注ぐ。
 だが、その炎がスキールに当たる直前、一人のクルセイダーが間に飛び込んだ。

「ハァッ!!」

 気迫と共に一閃した剣圧で、その全てを打ち消す。

「ふふ、今のは少し驚きました」

 クルセイダーの背後から、スキールが魔法を詠唱する声が響く。

 ─こいつ、魔法も使えるのかッ!

 ウルは、クレイグに向かって走ると、呪文を唱えながらクレイグの背中を踏み台にして宙に飛び上がった。

「ふべッ?!」

 突然の衝撃に耐えきれず、クレイグが地面に倒れ込む。

 宙に飛んだウルと地面に倒れ込んだクレイグの間を、スキールの放った魔法が貫いた。

 そこで生じる一瞬のスキ。

「シャドウスパイクッ!!」

 ウルの声に反応し、ウルの影から弾けるように飛び出した黒い影が地面を奔る。

「ッ!」

 小さな舌打ちを残し、影が届く直前スキールが横に飛び退く。反応が遅れたクルセイダーに、影が数弾直撃した。

「ぐぁぁああッ!!」

 足から、腕から、胸から、突然血を吹き出し倒れるクルセイダー。

 スキールは倒れたクルセイダーに目もくれず、飛び退き様に唱えた呪文を解き放った。

「グレアリング!!」

 クルセイダーをすり抜けた影が、生み出された光にかき消される。

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