街の外れに降り立つワイバーン。
さすがに彼らに乗ったまま街に入るわけにはいかない。
ワイバーン達をその場に残し、そこから徒歩で街に入っていった。
待ち合わせた宿へ急ぐ。
出迎えたのは、目を覚ましたコパンとランス、そして数人の盗賊達。
結局、ランスは着いてきた。
─だって、俺だってあのクルセイダー達に顔見られたし。
戻っても捕まるだけだから。
¨お前が勝手に付いてくるからだ¨と追い返しても良かったが、そうすると今度はクルセイダーにこちらの情報を流すかもしれない。
あの時、あの古城の玄関ホールで、セルフィリオーナがワイバーンを出してくれると言った時、その場で待ち合わせ場所を告げた。
その情報を流されると、先に着いて待つコパンをまた人質に取られる可能性があったから。
しぶしぶ、ランスの同行を許可した。
宿に着くなり、セルフィリオーナが宿の主人に医者の手配を頼む。
案内された一室に、キスティンを寝かせた。体を動かせたせいか症状が悪化しているらしく、白い肌が赤く染まり熱を出している事を告げる。
程なくして、医者らしき女性が部屋に入ってきた。その後ろからセルフィリオーナが入ってくる。
「ずっと意識がないの。苦しそうだし、少し前から発熱してる」
手短に、医者に症状を告げるセルフィリオーナ。
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