国最大の規模を誇る巨大な城は、首都マグライトから少し離れた高い丘の頂上に立てられていた。
城から延びる道の先に広がるマグライトの街灯りがはっきりと見える。
高い上空から見てもその全てが見えないところは、さすが首都と言うべきだろう。
城に目を向ける。
城の正面に位置する城門が炎に包まれてもくもくと煙を吐いている。
余程暴れたのだろう。門だけでなく本城でも所々……と言うより至る所から煙が上がっていた。
ワイバーンはある程度の高さまで上昇すると、一定の方向へ進み始めた。
「どこに行くんだ?」
前方に座るセルフィリオーナに訪ねる。
「北だよ。この先にホズって言う街があるんだ。そこで他の奴らと合流する予定」
あんたらの傷の手当てもしなきゃね。
そう言うと、セルフィリオーナはクレイグにウィンクを送った。
ホズか……。初めて聞くな。
そう思いながら前方に視線を飛ばすクレイグ。黒い地面の先で、星が途切れているのが見える。
「?」
クレイグが不思議そうに首を傾げると、先頭のキスティン達を乗せたワイバーンが一声「クァァッ」と鳴き、再び上昇を始めた。
それに答えるように、他のワイバーン達も高度を上げていく。
「え、どうしたんだ?!」
突然の上昇に驚きながら、クレイグが声を上げる。
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