「なにそれッ!! むっかつくーっ!
あんた達! あいつとっ捕まえろッ!」
エルフ女の怒号で、一斉にウルを取り囲む盗賊達。
だが、そこに響いた別の声に全員の動きが止まった。
「全員動くなッ!」
腕の中で、コパンがビクンッと震える。
白い鎧をカチャカチャと鳴らしながら現れたのは、十人ほどのクルセイダー。
「お前が、ウルだな? 国王陛下の命により、連行する」
クルセイダー達が、盗賊達ごと囲むように立ち並ぶ。盗賊達の目に、戸惑いの色が浮かんだ。
「いいのか?」
ポソッと落としたウルの言葉に、クルセイダーは眉をひそめる。
「何だと?」
ウルは不敵な笑みを浮かべた。
「今度は、人質を取らなくて良いのか?」
言って、コパンを抱き抱えたまま奔る。
正面に立つクルセイダーに向かって。
「ッ!! 殺せッ!」
ウルの気迫に押され、クルセイダーが吼える。一斉に、乱闘が始まった。
走りながら、ウルは呪文を唱える。
正面には、剣を抜き放ち構えるクルセイダー。
「ゲールファングッ!」
ウルの声に呼応し、風の刃が三つ。地面を削りながら猛スピードでクルセイダーに突き進んだ。
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