「処刑は明後日の日付だった」
言いながら、扉を開けて外にでるウル。
「おかしいだろ? 何で、処刑を公開する必要がある? 日時を書いて、場所も書いて……」
玄関から、部屋の前に立つレナに向かって真っ直ぐ立つ。
「おーかた、俺をおびき寄せたいんだろ。だったら行ってやるさ。それに……、あんまり待たせると、クレイグが怒るからな」
カチャン……。
扉を閉め、ウルは歩き出した。グランドール王国の首都─マグライト、そこで明後日の正午に公開処刑が行われる。
グレイクレイから、休み無しで約半日歩き続ければ着けるだろう。
だが、その前に、ウルにはやらねばならない事がある。
─……宝玉の確保。
そして、ラーマ。
ラーマの名前は、公開処刑のリストに無かった。さすがにドラゴンを処刑など出来ないのだろう。
ザイルのように、竜を崇拝する街はいくつか存在する。彼らが"神"と崇めるドラゴンのラーマを公開処刑になどしようものなら、各地で暴動が起こりかねない。
どこかに監禁されているか、秘密裏に殺されたか。
だが、ラーマはドラゴンだ。そう簡単には死なないだろうし、ただでさえ白銀に光っているのだ。どんなに隠そうとしても人目にはつく。
ならば、残るは前者しかない。
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