ウルの言葉に、クレイグは大きく目を開いた。次いで、これでもかと言うほど勢いよく首を振る。

「いやいやいやいやいやっ! ちょっと待てよ!」

 クレイグはウルの前まで来ると、腰を落とすウルを見下ろすように言った。

「クルセイダーを疑ってんのか?! そんなわけねーだろ?!」

 ウルは、クレイグを見上げ…──

「違うと言い切れるのか? 少なくとも、あいつらは俺たちに嘘を言ったんだぞ」

 その言葉に、クレイグよりも先にキスティンが反応した。

「嘘? どういうことなの?」

「生存者だ。俺たちが街中探しても見つからなかった生存者を保護していると言った。
 俺たちよりも後に来たクルセイダーが、何で生存者を保護出来たんだ?」

 ウルの言葉に、クレイグが食ってかかった。

「見つけられなかっただけだろ?! それに、生存者はコパンだって見てるんだ!」

 そう、それがウルも分からない。

「コパンは、どこで生存者を見たんだ…」

 腕の中で眠るコパンに視線を落とす。

 それと同時に、ラーマが緊迫した声で言った。

『……何かいる………』

 三人に緊張が走る。

 だが、あたりを見渡してもただ草原が広がるだけで変わった所は見あたらない。

 それでもラーマは険しい顔のまま、低くうなり声をあげた。

『……来るぞ!』

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