コパンが眠りに落ちたのを見届けたラーマが、静かに口を開いた。

『宝玉を持たねば、黒竜は完全に復活出来ない』

 キスティン、クレイグ、そしてウルの視線がラーマに向く。

『歴史は繰り返されると言うが……繰り返してはならぬ歴史も多い』

「まずは、宝玉を確保することだな」

 ウルの言葉に、ラーマが大きく頷いた。

『宝玉は、人の手で持ち出された。封印から出た宝玉は、黒竜を呼び戻すだろう。だが、どこにあるのかが分からぬ……だから、お前達を探したのだ』

「だから、どういう意味だよ」

 ラーマとキスティンが自分たちを疑っている訳ではないのなら、何故探しにきたのか。クレイグにはいまいち分からなかった。

「私達があんた達を探したのは、怪しい人見なかったかなーって思ったからよ」

 クレイグの隣でキスティンが言った。

「ルーヴァに最初に行ったのはあんた達でしょ?」
 その時、変わったことは無かった?

 キスティンの言葉に、クレイグはため息をついた。

「変わったことって……街一つ潰されてることが一番変わったこ……」

「クルセイダーだ……」

 クレイグの言葉を遮り、ウルが呟く。

「あの時、俺たちはクルセイダー以外見ていない」



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