『ウル、クレイグ、お前達を探していた。もっと遠くにいると思ってい…』
「クレイグーっ!」
ラーマの言葉を遮るように、聞き覚えのある声が耳に届いた。
「………キスティンッ?!」
クレイグの言葉に、ラーマの背にある翼の付け根からヒョコッと出てきたのは、キスティン。
クレイグは、あまりの驚きに口をパクパクさせている。
ラーマが身を屈め、翼を真っ直ぐ延ばして地面に傾けた。
滑り台のようにそこを滑り降りるキスティン。地面に降りると、小走りでウル達の方にやってきた。
「良かったー、二人ともそんなに遠くに行ってなくて!」
「どうかしたのか?」
キスティンの言葉にウルが問いかける。
「うん、実はね、ルーヴァがモンスターの襲撃を受けちゃったみたいで……」
思わず顔を見合わせるウルとクレイグ。
「……知ってる。多分、俺らがその後一番にルーヴァに行ったから」
キスティンが驚いたように目を見開く。
「ひょっとして、神殿に行った……?」
「神殿……? いや、行ってねーけど…」
クレイグが眉を寄せ、答える。
神殿とは隠し神殿の事だろうか……?
「ルーヴァに神殿なんかあるのか? あそこにあるのは畑だけだろ」
ウルは、何も知らない振りをした。
キスティンがラーマを振り返る。ラーマは、キスティンに向かって小さく頷いた。
それを見て、ウル達に視線を戻したキスティンは、口を開いた。
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