ドラゴン・テイル


 暗く、長く延びる土のトンネルを、四人は足早に歩いた。

 互いの息づかいだけが響き、先ほどの爆音がまるで嘘のように辺りは静寂の極み。

 誰も口を開くことなく、先頭を小走りに進むルッソの後に続く。

 しばらく進むと、行き止まりになった。

 突き当たりの床に一つ、小さな魔法陣が淡い紫の光を放っている。

「ギギ…キィギギィ……」

 ルッソの声に反応するように、魔法陣が紫から白へ色を薄めていく。

 前から気になっていたが、この擬音語のようなものはピクシーの言葉だろうか。

 そんな事を頭の片隅で思いつつ、ウルはルッソの声に反応して色を変える魔法陣を見つめた。

「これは、空間転移の魔法陣です」

 振り返り、ルッソが言う。

「一人ずつしか乗れませんが、ルーヴァの北東に出られます」

 そう言うと、「先に行って下さい」と言うように一歩下がる。

 ルッソのすぐそばにいたクレイグを、魔法陣に招き入れるように手招きした。

「大丈夫なんだろうな……?」

 不安げな表情で、ゆっくりと片足を魔法陣に付ける。

「大丈夫です。さぁ、魔法陣から出ないように立って下さい」
 ピクシー用なので、少々狭いですが…。

 そう付け加えながら、魔法陣の周りを一周回り、クレイグの体が魔法陣から出ていないかチェックする。

「よし、ではいきますよっ!」

 ルッソは、魔法陣に向かい、やはりピクシー語の用な擬音を発する。
 その声に反応するように、魔法陣から光が浮き上がり、クレイグをすっぽりと覆った。

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