ドラゴン・テイル


「松明に助けのメッセージを込めた炎を灯したのは、お前か?」

 真っ直ぐにコパンを見据えて問うウルに、コパンは少し躊躇(ためら)うような仕草を見せ、小さく頷いた。

「お前は! 何で一人でそんな所まで…」

 食ってかかろうとするラストルを、ウルは手で制した。

「あの時、俺はルーヴァに行ったが誰も見つからなかった。お前は、生存者を見たのか?
 あのメッセージは、本当なのか?」

 再びコパンが頷く。

 ウルはゆっくり体を持ち上げた。

 コパンの目は嘘を言っているようには見えない。おそらく、生存者がいたのは事実だろう。

 ならば、どこに?

 クルセイダーは、保護していると言った。だが、明らかに彼らが来たのはウルやクレイグの後だ。

 一晩探しても見つからなかったルーヴァの民が隠れていた場所……。

 やはり、隠し神殿だろうか…。


 全員が押し黙り、部屋に静寂が満ちた。


 クレイグが何かを言おうと口を開いた時、同時に勢い良く部屋の扉が開かれた。緑色のピクシーが一人、勢いよく転がり込んでくる。

「キィッ! キキィィッ!」

 ラストルの姿を見るや、しきりに叫ぶ。

「なんだと?!」

 緑のピクシーの叫び声を聞いて、ラストルが声を荒げた。

 その横にいたルッソも、驚きの表情を浮かべる。見ると、コパンも驚いた表情で震え始めた。




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