ドラゴン・テイル


 瞼が重い……。

 まるで鉛を吊されたような感覚。それでも、何とか目を開く。

 見覚えのある風景が視界に映った。

 ─…俺の部屋………夢、か……。

 ゆっくり体を起こす。部屋には朝日が差し込んでいた。

 夢の中で見たリムレット。幼い頃の夢。

 目が覚めた今でも、ウルの心は懐かしい気持ちで満ちていた。

 今日から、リムレットを探す旅が始まる……。

 そう思うと同時に、ウルはある重大な事を思い出した。


 ─しまった! 何で今まで思い出さなかったんだ! 俺はっ!

 急いで服を着替え、用意していたバッグとロッドを掴むと、マントを羽織りながら家から飛び出した。

 町の中心部に全力疾走。クレイグの家へと向かった。

「クレイグ! クレイグ、いるか?!」

 家に着くなり、ドンドンドンドンッと勢いよく扉を叩きつけるウル。だが、クレイグが出てくる気配はない。

 ─いないのか?! あのバカ! 肝心なときに使えねぇ!

 心の中でクレイグに罵声を飛ばし、今度は怪我人がいるテントへ走る。

「レナ!!」

 そこには、ガランとした空間が広がっていた。

 ─なんで! レナまで居ないんだ…っ!

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