「ケイ、こっちー」
教室から出ると、見覚えのある顔が手招きする。
「わー!!オギと同じクラスだー!!」
荻原鈴(おぎはられい)
小学校が一緒で、同じクラスになったことは1回もなかったけど、共通の友達つながりで仲のいい子。
出席番号順に並んでいて、あたしはオギのうしろだった。
「ケイよく遅刻するよねー」
笑いながらからかうオギ。
「もう、うちの家系全員時間にルーズ」
もうこれは認めるしかない。
「静かにして」
低い声が聞こえた。
3年生のイカツイ先輩。
その声でオギとの会話も他の1組の子も静かになった。
すごい!先輩!

