「これが川上、で~これがもっさん。」





クラス写真の1人1人を指差して、友達を教える姉、祥ちゃん。






「あの、理麻奈ちゃんの彼氏は?」





一つ置いて、気になっていた姉の友達の理麻奈ちゃんのイケメンらしい彼氏さん。






「あ、滝田?えーと、これ」






2ページ捲って、6組のクラス写真の1人を指差して祥ちゃんは言った。







「何か、坊主だね」






ヤンキーと聞いていたけど、坊主でしかも言うほどカッコよくなかった滝田くんにあたしは若干がっかりした。




「これ写り悪いしね~」




姉がぼそっと言って笑った。




その後も夜まで、姉の卒業アルバムを見ながら中学校の思い出を聞いた。




姉が好きだった人の話とか、生徒会に入ったのは良い選択だったとか、コーラス部は最高だとか、理科の先生の声の真似がめっちゃ上手い人がいるとか…



すべてのことが新鮮に聞こえ、あたしは胸をはずませていた。