「卒アル見る?」




お風呂からあがって、ちょっとテンション高めに姉の祥ちゃんが言った。





「見たい!!」




あたしも、いつも姉の話に出てくる人達がどんな顔なのか気になってたから、テンションが上がった。





「ちょっと待って」





そう言って、祥ちゃんは階段をのぼっていった。





3つ年上の姉の祥ちゃんは、今年中学校を卒業した。




第一志望のここら辺で1番優秀と言われる高校には落ちてしまったけど、私立の頭の良い高校に行くことに決まった。





姉は第一志望の高校に落ちて、泣いてもいなくて、そこからは未練のカケラも感じられなかった。






そして祥ちゃんから中学校での話しを聞く度に、あたしは早く中学校に入りたいとずっと思っていた。






「はい!」





祥ちゃんが2階から降りてきて、あたしに黄緑色のケースに入った卒業アルバムを手渡した。