4月下旬の昼下がり。
高校に入学して、2週間ぐらい経っていた。
「おいし~いっ!」
校舎を繋ぐ渡り廊下の下。
中庭にあるベンチに座り、あたし森下冴花(もりした・さえか)は親友の村木麗(むらき・れい)と一緒にお弁当を食べていた。
「でしょでしょっ!今日ね、早起きして頑張っちゃった」
麗は、大人っぽい雰囲気の持ち主で茶色の瞳、
髪はふんわりとした巻き髪が似合うんだ。
そんな彼女は今、明日彼氏に作るお弁当をあたしに食べさせていたりする。
「絶対に、陵君喜ぶよっ!」