公園に着くと雄が今人気の「プルプルゼリーinあっぷるジュース」を買ってきてくれた。

桜はすっかり緑色。

「桜音、俺、さずっと言いたかったんだけど…」

「なっ、なに?」

まさか、告白!?

「あの、俺さ…」

「あっれー?桜音ちゃんッ?」

「あっ、ほんとだぁ^^本物だよぉ!!」

名前も知らない男の子が近づいてくる。

「…あいつら知り合い?」

「全然知らない人」

行くぞ、といってあたしの手を握り、走った。

雄の走る後姿を見たとき胸がキュンてして。

あたしのために走ってくれてるんだ、ってわかった瞬間どうしようもなくなってきて。

やっと雄が止まった時あたしは泣いてた。

あたしのために頑張ってくれた人なんて雄が初めてだ。

「ぇっ?なんで泣いてんの?俺なんか悪いことした??」

「違うの…前も言ったでしょ…あたしは親から愛されてないって。」

「…」

「あたしのために頑張ってくれる人なんか誰もいなかった。雄がきっと初めて。」

「…」

「嬉しくてうれしく…」

それ以上は言えなかった。

雄が抱きしめてくれたから。

「なに、言ってんの?」

「えっ、ちょっ///」

心臓が壊れそうなくらい早く動いてる。

「俺は、いくらでも頑張るよ?桜音のためなら何を失っても怖くない」

このまま時が止まればいいのに―――。

そう思った瞬間ぱっ、とあたしから離れた雄。

雄の顔を見るとバックの夕日に負けないくらい真っ赤。

「そっ、その///」

「はっ、はい///」

気まず///

「今言ったことは忘れてッ!!!!」

だっ…

行っちゃった…

でもあたしは一人幸せな気持ちで家へ帰った。

明日からの悪夢を知らないまま…