「悪いと思うならさっさと治せ。
自分の体調管理くらいちゃんとしろっ!!」
また遥のお説教が始まった。
気分台無し……。
「で、お前はどうして急に倒れたりしたんだ?」
急にグイッと紫水が顔を近づけて言う。
わぁ~、綺麗な顔……
じゃなくて、いきなり核心をついた質問しないでよ。
お手柔らかにお願いします。
『ああっと、えー、その……』
何か適当にごまかす手はないかな……?
“付き合ったことないから、恋人同士の演技ができません”なんて絶対言えないっ!!
「何だ?」
遥が先を促す。
「カナちゃん、どうしたの?☆」
由依の顔はいつも通り笑っているはずなのになんだか背中がゾクッとする。
清龍からは無言の熱い視線……。
あ~もう、分かったよ。
言えばいいんでしょ。
言いますからっ!!
『驚かないでよ。
私、恋愛経験まるでゼロなの』
「「「「……ハァ!?!?」」」」
4人の声が見事に重なる。

