「カットッ!!」 これで何回目だろう。 監督が首を横に振っている。 リテイクを出されるたびに樹里の気持ちが分からなくなっていく。 カット、カット、カット……。 頭の中で監督の声が渦巻く。 気持ち悪い。 立っていられない……。 その場にしゃがみこむ。 「おいっ!! 光、どうした!?」 私を心配して駆け寄ってくれたみんなの姿がかすんで見える。 「おい、しっかりしろっ!!」 みんな、ごめんね…… 私は意識を手放した。