ホームルーム終了直後。 「紅月くん? もう芸能界にはなれた?」 『ああ、はい……』 「校舎はもう回って見た? まだなら私が案内してあげます」 「何言ってるの? 案内ならこの私が……」 私、動物園のライオン状態です。 女の子の人垣に囲まれているわけで……。 女の子のすさまじさに貼り付けた笑顔が引きつりつつある。 どうでもいいけど私のこと囲んで頭の上で喧嘩するのはやめて欲しいと思っていると……。