布団に潜り込み、あ~幸せなんて思っていると、いきなり目の前に人の顔が現れてびっくりした。


『ヒッ!!』


「お嬢様、奥様からお嬢様にご伝言をことづかっております」


ああ、なんだ。


『もう、坂上さん。驚かせないでよ』


坂上(サカガミ)さんとは琴月家の執事さんのこと。

私は小さい頃よく遊んでもらったものだ。

家族同然の人である。



「失礼いたしました。

お部屋に入らせて頂いた際にノックをしてお声をお掛けしたのですが、お返事がなかったものですから」


うそぉ~。

気づかなかった私ってまぬけじゃん。



『まあいいよ。

それでお母さんからの伝言って何?』



どうせあの母親のことだ。

くだらないことに違いない。



そう思って足元に放ってあった雑誌を拾いあげてパラパラとめくっていると……。