7月3日午後10時57分


レインガーデンのメンバーは紫水の部屋に集まっていた。

一つのテーブルを囲んで、皆がソファーに腰を下ろしている。


空気が重い。

全く落ち着かない。



遥がケータイをぎゅっと握りしめる。

程なくしてそれは皆の心境とは裏腹な馬鹿に賑やかな着信音を発した。


スー、ハーと大きく息をし、遥は神妙な面持ちで電話に出た。


「はい、桃山です。

はい、はい、そうですか……」


遥の表情からは話の内容は読み取れない。


「わざわざご連絡ありがとうございました。

失礼します」


遥はハァ～というため息とともに電話を切った。


『どうだった？』


大きく遥の方に身をのり出して聞く。



「…………セント」


『えっ？』


肝心な部分が聞き取れず、聞き返すと遥は震える拳をギュッと握り締め、叫んだ。