「心配しないで。あなたなら大丈夫。あなたにはカリスマ性が備わっているわ。すれ違えば思わず振り返ってしまうほど、人の目と心を惹きつける何かがある。それはウチの事務所に所属している売れっ子たちにも引けをとらないわ」


『いやいや、ご冗談を!』


「あなた、さっきも事務所の前で注目されてたじゃない?」


「あれは……!大きなビルだなって感心して思わず叫んじゃったからで……っていうかあれ見てたんですか!?」


「ウフフ~。バッチリ見ちゃったわよ~」


『いったいどこから!?』


超能力者!?

千里眼!?



「一応防犯の意味も兼ねてカメラ越しにモニタリングできるようになってるのよ」


男性らしい、節ばった人差し指を立てて社長は告げる。



“オカマは見た”と。


……怖い、怖すぎる。



社長直々にモニタリングってどうなの?

普通そこは警備会社に委託するものじゃないの?





「そうだわ。あなたには、すでに売れてるグループに新メンバーとして入ってもらいましょう♪」


混乱している私を置いて、社長さんはさもいいことを思いついたというように手を打つ。


社長さん、はしゃいでらっしゃるんですね、わかります……。


何のことはない、うちのお母さんと同類だ。



「でも、そうするとどのグループに所属してもらいましょうか? う~ん、迷うわね」