『ねえ、どこ行くの?』 徒歩数十分。 いい加減、歩くのに嫌気がさしてきた。 『ここ何もないじゃん。 道わかるの?』 ズンズン歩いていくうちに街中からどんどん離れていき、あたりには海しか見えない。 「忘れた……」 えっ、今なんて言った? 『え?』 「行き方、忘れた……」 『ええええぇぇぇぇっ!! うそぉ~!!』 じゃあ、さっきまでなんであんなにさも自信ありそうに歩いてたわけ?