暫らくして、マーラは戻ってきた。
お茶と、大量のお菓子を持って。


「…それ、全部手作りに見えるんですけどー…」

「ええ、この子が『クロードさんが来る』
って言うから、昨日頑張ったのよ」

「この子?」


サンルドが怪訝そうに聞いた。


「私の相棒の猫なんですけど…
人見知りで」

「マーラはその猫で占うんだ」


クロードの補足に、
サンルドはようやく理解したようだ。



「猫占い、ですかぁ。
珍しいですねー」

「そうですか?
まあ、キラちゃんの占いは世界一ですけど。
…の、はずなんですけどねー…」


ふぅ、と浅く息を吐くマーラ。


「どうした?」

「その赤ちゃん、知らないんです」

「え?…ああ、そういうことですか」


マーラは占い師。
未来を予知出来る。

…それが、アイルの事は予知出来なかった。

そう、マーラは言いたいのだ。