「ねぇ、あの子って稲葉唯じゃない?」 「え、マジで?」 「誰それ?」 遠くから女子3人の話し声が聞こえた。 あたしのこと話してる? でも、気づかないフリをした。 「援交してるって噂で、何人もの人がオッサンとホテルに行く所を見たんだって」 「うっそ~」 「ねぇ、もう行こうよ? 絡まれたら怖いって…」 「行こ行こ」 「…あんなの気にすることないって」 亜利沙がボソッと言った。 「うん」