みんな怪訝そうな顔をしたが、それ以上は何も聞かれなかった。


それは、俺が壁を作っているから。


踏み込まれたくないから。

佐助だって、遠慮してる。


けど、怖いんだ。


珠李以外に親しい人をつくるのが。


男とか女とか関係ない。



親しい人が増えるって事は、守るものが増えるって事だと思うから。


だから、どうしていいかわからない。


臆病な俺だから。


珠李が、俺を見放す前に。


珠李のいる世界じゃない珠李のいない世界。


それが、必要なんだ。


頭では、わかってる。


けど、どうしても踏み出せないんだ。


珠李以外の意味が欲しいから。