「晋平、どうかしたか?」


「なにがだ?」


急に佐助に話しかけられた。


「なにがって.....」


「お前、なに泣きそうな顔してんだよ。」


言いにくそうだった佐助をよそに部長が言った。


泣きそう?


まさか。


俺は、強くならなきゃいけないのに。


怖いのか?


なにが?


おいていかれるのが?



なんで?


一人だから?


そうだ。


珠李に置いてかれて、一人になるのが怖いんだ。


珠李もたぶんわかってる。


だから....


けど、最善なんてないから。


今、思うことを行動しなければならない。


「別になんもないですよ。」


俺は、作り笑いとバレるとわかりながら笑った。