私は、あの日、すごく幸せだった。


『珠李、聞いて。
俺、珠李が好きだ。
これからは、幼なじみとしてじゃなく、彼女として隣にいて欲しい。』


お互い口にはしてなかったから。


けど、なんとなく気持ちはわかっていた。


心だけは、繋がってた。


けど、そんな関係は、脆さもあった。



それに気づいた晋平が、言ってくれたんだ。


嬉しかった。


私には、勇気がないから。

だから、言葉になんてできない。


だから.....


『私も晋平が好き。』


晋平の言葉に素直に答えたんだ。


私は、世界一幸せ者なんじゃないかって。


そう思ったから。


普段なら、容易く言えない言葉も嬉しさが勝ってたから。


『ありがとう。』


すぐに晋平からのお礼の言葉。


私は、涙が出た。


なぜだろう。


告白された事よりお礼を言われたことに嬉しくて。