「俺ら、ようやく変われたな。」


晋平が、笑顔で私に言う。


「そうだね。
あの時は、こんな未来を想像してなかった。」


私も笑顔で答える。


私と晋平は、成長した。


弱くてお互いに頼り切っていた私たち。



「やっと、俺と珠李は、幼なじみに戻れたんだよな?」


晋平は、あの日の事を思い出しているようだ。


「そうだね。
本当に大切な人ができてよかった。」


私もあの日の事を思い出した。


「強くなりたいって思ってたけど。
今は、強くなれるって勇気がわいてくる。」


晋平は、感慨深そうだった。


私は、何も言わずに頷いた。


私だって、そうだから。



晋平が私を弱くして、私が晋平を弱くする。


悪循環な私と晋平の関係。


傷のなめあいにしかならない。


けど、変わった。


瑞希が、私に勇気をくれる。


若菜ちゃんが、晋平に勇気をくれる。


お互いに大切でずっと一緒にいたい人。


これからは、お互いの幸せを見届けよう。


私とあなたは、恋をしないけど、永遠に大事な人だから。





end