晋平には、そういう相手がいる。


それに気づいたのは、少なからず雰囲気が柔らかくなったから。


それは、私にしかわからないものだと思う。


だからこそ気づけた。


たぶん、私が気づかなかったら教えてもらえない。


ゆっくりでいい。


お互いに相手への想いを育てよう。


そしたら、想いを伝えずにいられないから。


彼女がいたら、私じゃなくて、その彼女のために今以上の力をくれるから。


「珠李、ごはんは?」



お風呂の準備は、終わったらしい。


「もう少しだよ。
先にお風呂入って。
たぶん、ちょうどいいはずだから。」


「んー。
わかった。」


私は、意識を戻し、料理に集中。


今は、晋平の心配よりもごはんよね。


腹が減っては戦はできないからね。


って、違うか。