『なぁ。
卒業したら、どうすんだ?』


『もちろん、留学よ。』


樹に自信満々に答える海。


『はっ?』


『だから、留学。
A大学に推薦で入ったけど、そこの姉妹校がアメリカにあるの。
合格が決まってから、手続きの関係で大学に行ったら、そうなったの。』


当たり前のように答える海。


そんな海を樹は、呆然と見ていた。


『お前は、なんで....』


『樹には樹の人生があるように、私には私の人生がある。
もう少し、年をとったときには、樹が隣にいて欲しいよ。
けど、今は、自由に生きたい。』


海は、樹に今の思いを伝えた。


『海の未来には、俺がいるんだな。』


樹が強い眼差しに海を見ながら言った。


海は、その眼差しで決意が揺らぎそうになった。