「どうぞ、いらっしゃい。」


俺は、驚く澤を無視し出迎える。


てか、驚くのは、当たり前。


澤が珠李の彼氏とか関係ない。


珠李の家だと思っていたら、俺が平然と出迎えたらおかしいからな。


そんな澤の不安だって、すぐになくなる。


おそらく、若菜だって信じられないと思うだろう。


けど、現実はそんな簡単じゃない。


複雑すぎるんだ。


それを受け止めてほしい。


そう思わずにはいられない相手。


てか、普段なら俺が誰かを出迎えることはない。


大概、珠李だ。


それか、居留守。


後は、両親'Sが勝手にくるぐらい。


チェーンを普段はかけてるから、しつこいぐらいの呼び出し。


俺は、相手が両親だとわかるとでないけどね。


珠李は、相手にしてあげる。


まあ、部屋に招き入れて終わりだけど。


俺と珠李は、極度に溺愛されて育てられた。


その反面、冷めてしまった。


ただ、相談もなしにとかで事を決めると子供みたいにイジケるのだ。


ある意味、俺らより子供な部分もある。


まあ、それは、子供に対しての接し方なだけで、後は、十分すぎるほど大人だ。