「なんで?」


私は、何も言わずに聞いてしまった。


「なにが?」


瑞希が怪訝そうな顔に変わった。


「もう、りぃって呼んでくれないの?」


「....なんで、聞くかな?」


困ってる?



「ごめん。」


私は、素直に謝ってしまった。


「別に謝んなよ。
期待した俺が、バカみたいだ。」


「期待?」


わけがわかんない。


「あぁ。
珠李が、俺にはりぃって呼ばれたいって言ってる見たいでさ。
俺が珠李にとって、特別なんじゃないかって......
お前には、あいつがいるのにな。」



瑞希が、自傷気味に笑った。


あいつ?


誰?


「瑞希?
あいつって?」



「牧野 晋平」


「えっ?
晋平?
つきあってないよ。」


なんで、そんな勘違いをしてるの?


前に話したよね。


なのに....



「秋山からの話を聞くと、そんなんありえなくてさ。
珠李、そんな嘘つくなよ。
てか、俺に期待させるな。」