「俺らって、いつになったら変われるんだろうな。」


晋平が、辛そうな顔をしながら、私に言う。


「そうだね。
こんな事をしても無駄だってわかってるのにね。」


私も辛い。


けど、やめれないのは、お互いが弱いから。


「本当はさ。
俺と珠李は、幼なじみのままでよかったんだよな?」


晋平は、あの日の事を思い出しているようだ。


「そうだね。
けど、それじゃ辛かったでしょ?
心をあげれなくても、人の温もりは、欲しくなる。」


私もあの日の出来事を思い出した。


「強くなりてぃーよ。」


晋平。


泣きそうだ。


私は、何も言わずに晋平の頭を優しく撫でた。


私だって、強くなりたいよ。



けど、彼が私を弱くする。


晋平だって、そうだ。


彼女が、晋平を弱くする。


傷のなめあい。


そんなのもわかってる。