~悟~


日向乃と仲良くなって早一ヶ月。最近の俺は、最高に機嫌が良いらしい。


…ピューバシャッ。


顔が冷たい。きっとまた幸樹が水鉄砲で俺の顔に水をかけたのだろう。


いくつになっても水鉄砲が好きなヤツだな……。


俺は再び二度寝すると、「怒らない……」幸樹が震えた声で言った。


俺って、ふだんそんなに怒りっぽいのか……。ちょっと反省。


「日向乃ちゃんとなんかいいことあったでしょ?」幸樹が笑いながら俺に聞く。

「何でお前がそんなこと…」「顔に書いてある」幸樹が自信たっぷりに答える。

「……」何も言葉を返せなくなり、黙りこんでいると、「あれ、日向乃ちゃんじゃない!?」