祐也さんがいるから…



だから…かな、私が強くなる理由。






そう思うと、今朝も一緒にいた祐也さんにすごく会いたくなった。



「すんげぇ信頼してんだな」


「え…?」



「北坂祐也のこと」


「あ、うん」



「ま、この事は誰にも言わねぇ約束したし、守ってやるよ」


「いや、守ってもらわなきゃ困りますよ」


榊を信じてるんだし。



すこしの沈黙の後に、2人で笑いあった。


「んじゃ、教室戻るか」



「うん」





やっぱいい奴。



前を歩く背中に心の中で言った。









ガラ…



「こら、2人とも!もっと早く教室に戻ってきなさい!」


教室に入ると、数学の女性教師が私達2人に行ってきた。



「すいません」


私だけ謝る感じになって、席に座ったとたん


「許してやってよ、先生。こいつらデキてるから」


「はぁ?」


「とぼけんなって、矢野さん。俺らもう気づいてんだからさ」



いやいや、全くハズレてますよ?



「黙れって。俺ら、そーゆーんじゃないから」







困っていると、榊がキッパリ言ってくれた。





榊…お前はどこまでもいい奴だなぁ。