「頼むから本当のこと言えって。誰にも言わねぇ」
その後の長い長い沈黙
そして小さな声で告げられた…
「………………………お前の事、心配してんだよ」
おそらく榊の本心。
心配…か
そうだった…榊はこういう奴だった。
なに忘れてムキになってたんだろ…私。
「…榊…ごめん、心配してくれてありがとう」
「…」
私の次の言葉を待つように黙ったままの榊。
苦しめるくらいなら、榊を信じて本当のことを言った方がいいのかもしれない。
でも
「そうだよ。私は………祐也さんと一緒に住んでる…」
「…!?じゃあ、今すぐその家から出て来いよ!?しばらくウチにいてもいいからよ!!物件くらい一緒に探してやっから!」
「…ううん、このままでいーの」
言ったところで私の意志は変わらない。
あの家はもうあたしのちゃんとした帰る場所だから。
「は…?なんでだよ!?2人きりの生活なんか危ねーだろ!?」
「祐也さんは…そんな人じゃないよ」
「…お前……本気か?」
「うん」
榊の視線から目を逸らさずに、受け答えが出来ていた。
まるで自分が自分じゃないと思うくらい、しっかりした口調で…
…私、こんなしっかり話せるんだ…。

