「い…一緒になんか住んでないよ!!」
あ、本当にウソ下手くそだ…私。
大声で否定した時、そう実感した。
「まだそんなこというのかよ!!」
「!!?」
いきなり怒鳴られたから、ビックリして声が出なかった。
「さかき…?なんでそんな怒ってんの…?」
「俺にもわかんねぇ!!ただイライラすんだよ!」
なにそれ…
そんなに私がムカつくの…?
「なにそれ…そんなに私がムカつくなら、話しかけないでよ!!」
榊といい、小田切純といい、私に突っかかってくる奴ばっかりだ。
もうすでに泣きそうな気分だった。
「無理」
何で?
何で無理なわけ?
もう黙るしかなかった。
このときの数秒間の間に私の頭をジャックしたのは、祐也さんただ1人。
唯一の私の見方。
祐也さんに会いたい…
安心感が欲しい。
今はつらくてこの場に居たくない。
「チャイム鳴るし、もう教室戻る…」
私は、聞こえるか聞こえないかくらいの声で榊に言った。
「まだ話おわってないだろ…」
次に聞こえた榊の声は静かで、落ち着いてて…。
「…」
私は出口に向かおうとした足を止めた。

