to Home!!

「あれ、未裕?」


四つん這いになって隠れようとした視界に移る見覚えのある靴。



視線をあげると、スーパーの袋を手にした祐也さんの姿があった。







「あ…」


今の自分の体勢を見られてか、顔が真っ赤になっていくのがわかる。



祐也さんはキョトンとした顔で私を見ている。



は…恥ずかしい…




「矢野ー!チッ…どこにいんだよ」




のわー!!

祐也さんに会ったから、榊の事忘れてた!!





ヤバい!

この状況はとにかくヤバい!





「ゆ、祐也さん!こっち来て!!」



「えっ…うわっ!」




私は無理やり祐也さんの腕を引っ張り、植木の影に身を隠した。



「未裕っ?これは何?」


狭い所に祐也さんを押し込んだから、少し窮屈そうだった。



「ごめんっ、事情は後で説明するから」


「後で…って…」


2人でコソコソ話していた時


「やーのっ!」



イラついた榊の声が聞こえた。


それもさっきより近づいてきている。



「誰かから隠れてるの?」


少し理解したらしい祐也さんは、私の顔を覗き込んできた。






うわっ






今まで隠れるのが必死で気づかなかった祐也さんとの距離。

肩がひっついてる状態で、顔を寄せられている。





近い!!



赤面したと同時に私は後ろに飛び退いた。



すると、後ろについた手が植木の枝に引っ掛かり…






ガサッ







音が鳴った。







や───っ!

やってもたー!!!