ぐっと黙り込んだ私に榊は容赦なく聞いてくる。
「一緒に住んでんだろ?」
「…」
なんで榊、知ってんの?
どうしよ
どうしよ
なんか色々とまずい。
バレてもし学校の誰かに言われたら…
私じゃなくて、祐也さんに迷惑がかかる。
それだけは嫌だ。
でも、どうしたら…
「黙ってねーで何か言えよ」
「…………なぃ…」
「は?聞こえねぇ」
「榊には関係ない!!」
思いっきり叫んで私は走りだした。
お願い!
追いかけて来ないで!
必死の思いで目を瞑ったとき、
「おい!待てよ!!矢野ッ」
呼ばれて走りながら後ろを確認すると
サタン(榊)がいた。
ひーーっ
殺されるー!!!
「待てっつってんだろ!ボケェ!」
つつついに、巻き舌…
もう逃げる目的が変わっていた。
─…
「ハッ…ハッ……ハァ…」
もう無理、走れない…
すでに家の近くの公園にまで来ていた。
なんとか路地を利用して榊を撒き散らした。
ここが近所でよかったよ…
知らない場所だったら迷子になって終わるとこだった。
榊はきっと今も私を探してる。
「矢野ー」
ほらね、
草むらから様子見とこっかな。
諦めてもらおう。
そう思い、そそくさと草むらに隠れようとした時…

