矢野…嘘ド下手くそだな。
分かりやすい…
「どうりで今日の朝、男と一緒に来たわけだ…」
あいつが男と朝帰り、なんか信じれるわけねーからな。
ナンパで泣きそうになってた奴なんだから…
いや、あの時すでに涙目だったな…
「男女2人で一つ屋根の下…なんか危なすぎだろ!!」
そう独り言をいいながら、榊は中庭を駆け出していった。
そして帰り道…
「あ!」
「何っ!?どしたの!?」
いきなり横で声をだしたノンにビックリしてしまった。
「今日決めたクラス委員の集まり忘れてた!」
「うそ!それは行かなきゃ!頑張ってなー!!」
学校に戻っていくノンと入れ違いに、校門の方から榊が出てきた。
ノンと少し話をしてたから、その間に帰ってしまおうと思ったのだが…
「矢野ッ!!」
呼び止められてしまった。
うわ…昨日みたいになるのは本当にカンベン〜
立ち止まりながら心で泣いた。
「家まで連れてけ」
「は、はぁっ!?」
「お前、北坂祐也と一緒に住んでんだろ!?」
えええええっ
「ななな、何で知ってるん!?」
「…は?……関西弁?」
あ!しまった!!
興奮したからつい…

