to Home!!

ルンルンで校舎の階段を駆け上がった。


上り終わった場所には大きなガラスの窓がある。


そこからはさっき祐也さんに降ろしてもらった場所がよく見える。


祐也さん、間に合うのかな…



心配しながら前に行こうと窓から目を離すと、榊が廊下の壁にもたれ掛かっていた。



「…」


う…

なんか昨日の今日で気まずいな…


一応挨拶しとけばいっか。




「おはよー」



「…なぁ」



前を通りすぎようとした時、呼び止められた。




「お前、どこ住んでんの?」


…いきなり何?



私は覚えてる限りで住所を言ってみた。



「ふーん」



「な、何でそんなこと聞くの?」


「なんとなく」



そう言って、私に背を向けて歩いていった。




…何、あいつ。




昨日の態度と重なるから、さっきまでのルンルンはどこかに消えてしまった。












ぽん




「うわっ」



いきなり誰かに肩を捕まれた。



「うわって…可愛くねー驚き方だな」


そう言ってきたのは…



「小田切純…」



私の肩を掴む手にはギリギリと力が入っていく。



「っ…痛い!」


耐えられなくなった私は、その手を振り払った。