しばらく歩いて駅まで行こうとしていると
横からプァン!と車のクラクションがなった。
ビックリして横を見ると、祐也さんがいた。
「未裕!乗って」
うそ、つれてってくれるの!?
「で、でも祐也さん、大学は…」
今日は大事な話し合いがあるって言ってたじゃん。
「ちょっとくらい大丈夫だよ。高校は成績に響いたりするだろ?」
「…そうなの?」
「そうなの?ってお前…大丈夫か?」
おかしくなったのか?
とでもいうような視線で、私の顔を見る祐也さん。
そんなことは気にせず、
きっと1日くらい気にすることないよ。
…とは思ったものの、祐也さんと少しでも一緒にいたくなった私は車に乗り込んだ。
「学校まで、よろしくお願いします」
「はいよー」
やがて、時間にたっぷり余裕を持ったまま、学校に着いた。
「祐也さん、ホントにありがと!」
「いーえ。制服女子高生に言われると嬉しさ倍になるねぇ」
まーたこの人は…
「はいはい、よかったねー」
「あ、小馬鹿にしたな?」
「気のせいだって」
2人で言い合いをしながら同時に吹き出した。
「じゃ、今度こそ、本当に行ってきます!」
「ん!頑張ってこい」
祐也さんは車の窓から手を伸ばして、くしゃっと私の頭を撫でた。
一瞬の出来事がすごくすごく嬉しかった。

