to Home!!

2人とも教室であった瞬間抱き合った。



こんな心許せる友達出来たことないよ。


「大切にしなきゃ」



「何が?」


「わっ!?」



ノンがトイレに行って、一人だったところに榊が現れた。



「ははっ、ビビりすぎ」


「うるっさいな。いきなり顔の横で大きい声出されたら、びっくりするわ!」



ずっとケラケラ笑っている榊。


こいつは…


若干イライラはするけど、この前から助けてもらってばかりだしなぁ。


「榊!えっと…」



「何?」


榊が男友達と教室から去ろうとする背中を呼び止めた。


榊は立ち止まって首だけこちらに向ける。


「あ、いや…なんでもない」



言えない!
絶対お礼なんか言えない!
いざとなったらこんな恥ずかしいものなのか!!



「ったく、なんなんだよ」





榊は呆れたようにそのまま教室を出ていった。




あー…

嫌われた?



数少ない私の友達、只今1人消えました─…





「いーなぁ、榊に相手されてさぁ」



…誰っ?



後ろから声が聞こえて、振り替えると…




「あ、俺、小田切純(オダギリジュン)。よろしくな」



お、男の子…だ。



声が男の子にしては高い方だけど、声が低い女の子とも聞き取れる。



だから女の子だと思った。

…詳しく言うと、榊に好意を寄せている、ね。