しばらくしてから、リビングのソファーから立ち上がった祐也さんは言った。
「そうだ!未裕、今から買い物行くんだけど、来る?」
え!?
やっと外に出れる!
「うん!行く!!」
「じゃあ、用意しな。40分後には出掛けるから」
「はーい」
さっきまであんなにテンション低かったのに。
私ってかなり気分の上下激しい感じ?
─1時間後。
ザワザワ…
「……ゅ…祐也さん…人が多くて…ぅっ」
「ん?…って未裕!?」
また人波に流される私の手を、ガッチリ掴んだ祐也さんはため息をつき、ズンズンと進んでいった。
今、呆れられた?
人混みはやっぱ無理だ…。
ため息ひとつが痛いなぁ。
しばらく進むと大型のホームセンターの前に来ていた。
「うし、買うぞ。未裕もちゃんと着いてこいな?」
「が、がんばる…」
「ん。頑張ったらケーキでも食べるか」
「えっ!?いいの!?」
「ぷっ…単純」
うっ…
「そんなこと言うけど、甘いもの嫌いは別で、ケーキにつられない女の子っているの?」
私は開き直って聞いた。
「そりゃ、いるよ」
あんたの予想の中にはいんのかい!
祐也さんはいつも予想外の返答が返ってくるばかりだな。

