「曖昧なこと言っといて、こんなことするってさ…本当、俺…ごめん」
「裕也さん…」
優しいのか優しくないのか…。
「裕也さん、わたし…は、い…嫌じゃないからっ!」
励ましなのか、自分でもよく分からない言葉を放ってしまった。
「…え……」
それを聞いた裕也さんは、真っ赤な顔で放心状態になっている。
どこを見ているのか、私と全く目が合わない。
その場に居たたまれなくなった私はそのまま部屋に駆け込んだ。
扉を閉めてから冷や汗がブァッと溢れる感覚。
は!
はずかしい!!
あんなの変態発言になるんじゃないの!?
え…って言ってた!!
え…って!!!
裕也さん、引いたりしてないかな…
扉を開けて様子を窺う勇気すら出なかった。
─…
未裕が部屋に入って1分たったくらいだが、裕也はまだボーッとしたままリビングにいた。
「……」
あいつは…未裕は素直だ。
嫌じゃない…って、そういう事だろ?
さっきの言葉がずっと頭に残ってるし。

