「ゆうやさ…」
「うわっ、こっち向かないで!!」
振り向く寸前で私の目を押さえてきた裕也さん。
「え…何で?」
「いーから!!」
何にも見えないんですが…。
顔見られたくなくて隠すなんて裕也さんらしくない。
よっぽど見られたくない顔なのかな…?
………。
見たい。
私はしばらく動かなくなり、裕也さんが安心して力を抜いた瞬間、無理やり振り返った。
するとそこで見たのは…
「あ…」
「ちょっ…!?」
慌てて手で顔を隠すが、見てしまった。
見えちゃったよ、裕也さん。
「…はは……まっかっか…」
あ!笑っちゃった…。
するとまた裕也さんの顔は、みるみるうちに真っ赤になる。
「…!!…っのやろ!」
チュウ…
…へ?
強気な顔で私の肩を掴んで唇をくっつけてきた裕也さん。
…あ、あれ?
これって…
キ、キスってやつじゃ…
………。
キス──────っっっっ!!?
「んっ、んんーっ!?」
苦しくなるほど長い時間、唇を押し当てられ、もがくと、解放された。
「……」
「………」
顔が離れ、互いの視線が交わる。

